さとうさん。

“はじめまして、改めまして
さとうです。”

俺の前に立った彼女は
なぜか、再度、自己紹介をしてきた。

[あ、さとうです。
こないだは、どうも…]

おでこをくっつけてきた人とは
思えないほど、ぎこちない挨拶。


彼女は、それだけ言うと
友人らの元へ戻ろうとした。

[…あ、まって]

おれは、慌てて
彼女の手を引っ張り、止めた。

“え?”
驚いたように、こちらを見てた。

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