さとうさん。
次の日の放課後、練習が始まった。
「昨日、どうした?
なんか、テンション低そうだったけど…」
心配そうにおれの顔を覗き込む
一軍女子。
[…あ、え?おれ?全然大丈夫!
なんで?]
とりあえず、不安がられないように
不信がられないように?
驚いたあと、笑顔で答え返した。
「いや、いや…
大丈夫ならいいんだけど。」
横髪を耳にかけて、照れている。
…ように見えたが
自意識過剰は良くない。
何事もなかったかのように
「振り付けどうする??やろやろ!」
と柄にもなく、盛り上げてみた。