ハッキリ言わないで!


そのまま、2人で並んで歩く学校までの道。



下駄箱のところに着いたところで突然。



「...............あ、小波」

「なっ、なに、水樹くん?」



水樹くんに声をかけられた。



〝手〟を握ったまま話すのには慣れないから。



なんとも、出て来たのはカタコトの言葉。



水樹くんは、
そんな私なんか1ミリも気にしないで。



「今日、晩めし、何が良いか考えといて」



と、言うと私の頭をポンポンッと撫でて。



そのまま、3年生の教室の方へと歩いて行った。



「............っ、晩ごはん、」



口に出したところで思い出した。



今日から、日曜日まで、
私のパパとママ、水樹くんのパパとママが。



みんなで、旅行に行っていることを............


< 13 / 26 >

この作品をシェア

pagetop