ハッキリ言わないで!
「ごめんごめん」
悪びれれる様子もない、軽い謝罪的な言葉のあと。
──────グイッ!と、突然腕を引かれて。
手に持っていたコントローラーが、
そのまま床に落ちる音がしたと同時。
気づけば、
水樹くんの腕の中に閉じ込められた。
そして、そのまま........................
「あー、小波ってば可愛い過ぎる」
ふわりと、耳元で囁くように落ちて来た言葉。
あまりにも耳元に近い距離。
それに、ど直球の言葉。
その両方に、
──────ドキッと、心臓が跳ねて。
「..................っ、ハッキリ言わないで!」
出て来たのは、可愛くない言葉。