ハッキリ言わないで!
「.....................小波、」
水樹くんは、
普段からかなり落ち着いているタイプだけど。
いつも以上に、
落ち着いたトーンで話しかけられた。
紡がれる名前に、どきりと心臓が跳ねた瞬間。
「そろそろ、手つな、「やだっ‼︎」
話しかけられながら、
伸ばされた〝手〟を私は。
思いっきり、振り払ってしまった...............
しかも、
とっさに出た、『やだっ‼︎』という言葉。
水樹くんとは、
子供のころから一緒にいるから。
〝手〟を繋いだことがない訳ではないのに。
幼なじみじゃなくなった関係からなのか、
緊張のあまり、頭が回ってなくって。
たぶん、
水樹くんを、傷つけてしまった...............