絶対に結婚したくない令嬢、辺境のケダモノと呼ばれる将軍閣下の押しかけ妻になる
こんなことを言うと叱られてしまうかもしれないが、ちょっとだけ自分に似ているような気がして、なんだか妙に気になるのだ。
「そうですね。そこそこいいお値段しますしね。あたしももう少し探してみます」
アンナはそう言って部屋を出て行った。
(シドニアでは売ってないのかしら……?)
王都で人気と言うだけあって、玩具としてもかなり出来がいい。
気になったフランチェスカは、お茶のお代わりを持ってきてくれたダニエルに尋ねることにした。
「ポポルファミリーは王都のみの専売ですね。販路を絞ることで付加価値をあげているんです」
ダニエルは人形をかえすがえす眺めた後、フランチェスカの手に戻す。
「そうなんですか」
どうやら購入場所から持ち主を探すのは難しそうだ。白猫の人形を受け取り、テーブルの上にのせた。
(かわいいな……。この子はとっても大事にされている気がする。持ち主は探してるんじゃないかな)
頬杖をついてじいっと見つめていると、ダニエルが書類の束を差し出した。
「こちら先日王都で用立てた分の請求書が届きました。念のためご確認を」
「ありがとうございます」
差し出された書類を受け取り内容を確認する。ペラペラと請求書をめくっていると、内容に見覚えのない一枚を発見した。
明細には『裁縫道具一式とドレス生地』とある。
(なんだろう、これ……)
まったくもって注文した覚えがない。
請求書を見て黙り込んだフランチェスカの態度を不思議に思ったのか、ダニエルが軽く首をかしげて手元を覗き込んでくる。
「あぁ……これはどうも個人的な請求書が混じっていたようですね。失礼しました」
ダニエルは丁寧にそう言い、フランチェスカの手元から請求書を抜き取り、やんわりと微笑む。
「そうだったのね」
フランチェスカはうなずき、ダニエルを見送ったのだが――。
(なんだか、変な感じがするわ)
「そうですね。そこそこいいお値段しますしね。あたしももう少し探してみます」
アンナはそう言って部屋を出て行った。
(シドニアでは売ってないのかしら……?)
王都で人気と言うだけあって、玩具としてもかなり出来がいい。
気になったフランチェスカは、お茶のお代わりを持ってきてくれたダニエルに尋ねることにした。
「ポポルファミリーは王都のみの専売ですね。販路を絞ることで付加価値をあげているんです」
ダニエルは人形をかえすがえす眺めた後、フランチェスカの手に戻す。
「そうなんですか」
どうやら購入場所から持ち主を探すのは難しそうだ。白猫の人形を受け取り、テーブルの上にのせた。
(かわいいな……。この子はとっても大事にされている気がする。持ち主は探してるんじゃないかな)
頬杖をついてじいっと見つめていると、ダニエルが書類の束を差し出した。
「こちら先日王都で用立てた分の請求書が届きました。念のためご確認を」
「ありがとうございます」
差し出された書類を受け取り内容を確認する。ペラペラと請求書をめくっていると、内容に見覚えのない一枚を発見した。
明細には『裁縫道具一式とドレス生地』とある。
(なんだろう、これ……)
まったくもって注文した覚えがない。
請求書を見て黙り込んだフランチェスカの態度を不思議に思ったのか、ダニエルが軽く首をかしげて手元を覗き込んでくる。
「あぁ……これはどうも個人的な請求書が混じっていたようですね。失礼しました」
ダニエルは丁寧にそう言い、フランチェスカの手元から請求書を抜き取り、やんわりと微笑む。
「そうだったのね」
フランチェスカはうなずき、ダニエルを見送ったのだが――。
(なんだか、変な感じがするわ)