推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
(新入生歓迎会。体育館)


校長先生の話。
上級生代表の話。
新入生代表の挨拶。


と進行していく新入生歓迎会。

体育館でも名簿順で並ぶと、穂香の隣は航太であり、また独り言が聞こえてくる。


航太「ありきたりの言葉を散りばめて……誰が聞いてるんだろ……?はぁ……」


航太の方をぼんやりと見つめる穂香。


穂香(この人って時々、詩人みたいな言葉を使うよね……?ありきたりの言葉を散りばめてって普段使う?)


しばらくすると上級生の合唱が始まり、穂香のクラスの順番が近付いてくる。


すると航太がもう一度、のど飴を穂香にそっと手渡してくれる。


航太「ソロいけそう……?」


穂香は上級生の合唱している姿を眺めながら、小さく呟いた。


穂香「わからないけど、頑張ってみる」


航太「無理そうなら言えよ?俺が代わってやるから。面白そうだし」


穂香「うん。ありがとう。自分で頑張るから大丈夫だよ」

航太の無表情のままの優しい言葉に嬉しくなるが、代わってもらう気持ちなど更々ない。


穂香(気持ちは嬉しいけど……思いっきり音痴だし……無理じゃん)


そしていよいよ穂香達のクラスが、体育館のステージの上へ。












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