推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~


穂香のクラスの生徒達の歌が始まった。


クラスの生徒達「虹のかかる空に~」


穂香は口を動かしているだけで、ほとんど声が出ていない。
航太は相変わらず音痴のまま。


穂香は不安でいっぱいだった。


穂香(どうしてこんな日に風邪を引くの?お願いだからソロの時だけ、声が出ますように……)


もう神頼みしかない。


そしていよいよ、穂香のソロがやって来る。


穂香「こ……の……」


穂香(やっぱり声が出ないっ!!どうしようーーーっ!!)


すると男か女かもわからない、透き通るような美声の持ち主が、穂香の代わりに歌ってくれた。

穂香が慌てて周りを見てみると、美声の持ち主は隣にいる航太だった。


航太「この鳥達のように~大海を越えて~」


まだ歌は続いているのに、呆気に取られたまま、航太の横顔を見続ける穂香。


航太「若人よぉぉぉ いざゆけぇぇええっ」


さっきのソロの時以外は音痴のままの航太。


穂香(何かの聞き間違え?幻想?
あの声、何度も聞いて知ってる……
K様の歌声……
なわけないっ!?)







< 21 / 100 >

この作品をシェア

pagetop