推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~

第4章~春の遠足。前編~

○次の日のホームルームの時間。穂香のクラスの教室。


ホームルームの時間に、田中先生がプリントを配る。


そのプリントには1週間後に行われる春の遠足の内容が書かれていた。

電車で行ける近所の山の頂上まで登って、綺麗な景色を見下ろしながら、お弁当をみんなで食べる。というありふれた内容の遠足である。


生徒達「春の遠足の案内だってっ」


生徒達「でも山登りは嫌かもーっ」


一喜一憂する生徒達の中で、穂香も憂鬱な側で、表情が曇る。


穂香「亜美?なんで春の遠足って山登りとか、草原とか多いのかな?」


亜美「さぁ?校外学習は自然と触れあうって決まりでもあるんじゃない?」


穂香と亜美がこんな会話をしていると、いつものように机に伏せたままの航太が呟く。


航太「先生……仏壇の前のお菓子は計算に入りますか……?あれ親戚が持ってきたから無料で~す……」


穂香が思わずツッコミを入れる。


穂香「あまり聞かないパターンっ!!
バチが当たちゃうよ?
普通は先生っ。バナナはおやつに入るんですか~?じゃないの?」


航太はそれを聞いて、微動だにせず呟く。


航太「バナナはおやつに入るわけねぇじゃん……はぁ……」


穂香(やっぱり可愛くないっ!!)

< 25 / 100 >

この作品をシェア

pagetop