推しの歌い手さま～想像してたのと違うんだが…～

穂香は慌てた素振りで手をブルブルと

穂香(動画配信の人って、顔を隠して活動している人もいるし、堂々と街中で言うことじゃないよ……亜美……この人達に迷惑かけちゃうよぉ)


穂香のそんな気持ちも一瞬で吹き飛んだ。


金髪の男が馴れ馴れしい雰囲気で話しかけてくる。


金髪の男「そうでーすっ!!俺達有名な歌い手でーす。俺がリュウでコイツがシン。それで今からどこに行く予定？お兄さん達に教えてよ？」


顔を隠して配信してるのに、堂々と名前を名乗り出てナンパしてくる。

そんなリュウに穂香は開いた口が塞がらなかった。


穂香(名乗り出ちゃうタイプなのね……ってかＫ様とユニット組んでる人じゃんっ!？)


金髪の平成のホストのような容姿のリュウ。
25歳。
美容師であり、かなり女遊びが激しそうなオーラを纏っているチャラ男。


茶髪の短髪で高身長の爽やかイケメンのシン。20歳。
大学生でバスケ部に所属しているスポーツマン。

Ｋ様とユニットを組んだ二人と穂香は偶然遭遇したのだ。

穂香はナンパなんて……と困惑した表情を見せるが、亜美は目をキラキラとさせて、声を半音上げて女の子らしくリュウに言った。


亜美「これからそこのビルのカラオケに行くんです」


穂香(亜美っ!!何を嬉しそうに話してるのっ!？この人達はナンパしようとしてるのにっ!!
歌い手だからカラオケ得意じゃんっ。一緒にって誘われたらどうするのーーーっ!？)


内心穏やかでない穂香。


しかし穂香のイメージ通りに、事が進んでいく。


リュウ「ちょうど良かった。俺達もカラオケに行く予定だったんだよね～。一緒にどう？俺が奢るからさ」


穂香(これが……よく聞くナンパってやつ？こんなの初めてなんだがーーーっ)