推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
亜美はノリノリで穂香の手を握ってきた。


亜美「一緒に行こうっ!!奢ってくれるってっ。ラッキーじゃんっ!!」


穂香「えっ?ちょっと……ダメだよぉ……」


穂香の小さな抵抗なんて、リュウと亜美の勢いに流されてしまう。


亜美「大丈夫だってー」


リュウ「じゃあ決まり。ほら。行くよ~」


リュウとシンの後を亜美がついて行こうとするのを、穂香は亜美の手を引っ張って、足を止めさせた。


穂香「亜美……これってナンパだよ……ついていったらダメだよ……」


しかし亜美はイケメンに奢ってもらえるとあって、ニヤニヤと嬉しそうに笑ったまま。


亜美「もし顔も知らないK様から、DMで穂香は可愛いね?会いたいな。って言われたらどうする?」


穂香「うーん……悩むけど……もしかしたら行くかも……」


亜美は穂香の目の前に立って、持論を説明し始めた。


亜美「男女の出会いに、良い出会いも悪い出会いもないのっ。
最近は結婚した人の4人に1人が、マッチングアプリで知らない人と出会ってるんだよ。
だからナンパだって同じだよ?」


穂香「亜美……きっと違うよ……」


亜美のニュースを見ただけのような浅い理屈が合ってるかわからないが、自分だけ帰ります。なんて強く断れる事ができない穂香は、渋々ながらついていく事になった。


(K様の所属事務所のビルの前。終了)






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