推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○カラオケボックスの室内。


10人くらい座れる4人では広い室内に案内された穂香達。
薄暗い密室に、不安な様子の穂香は落ち着かない様子。


それに対して亜美は、さっき知り合ったとは思えないほど、楽しそうに話している。


シン「亜美ちゃんって何年生?」


亜美「高1ですよ~」


リュウ「亜美ちゃんも何か飲む?」


亜美「オレンジジュースお願いしまーす。穂香は何か飲む?」


亜美に尋ねられるが、穂香は上の空。


亜美「ほのかーっ?」


穂香「………」


穂香(もしこの人達が凄い悪い人で、お金を取られたりしたらどうしよう……)


穂香の中ではナンパ=極悪人というイメージが拭えないまま。


そんな時、リュウが穂香の隣に座った。


ビクッと跳ね上がるように、距離を取った穂香を見て笑うリュウ。


リュウ「それゴキブリを見たときの反応じゃ~ん。ちょっと酷くない?」


穂香は少し距離を置いた場所から頭を下げる。


穂香「ごめんなさい……」


リュウ「別にいいよ。それより誰かの出待ちしてたんじゃないの?」


穂香は目を反らしたまま、モジモジと緊張気味に話した。


穂香「K様に会えたらいいなって……」


リュウ「Kのファンかぁ~。残念すぎるっ」


リュウは大袈裟に残念そうな表情を見せて、自分の太ももを叩くと、また穂香は緊張気味に謝る。


穂香「なんかごめんなさい……」


リュウは顔を上げてクスクスと笑う。


リュウ「なんかいちいち面白いね?穂香ちゃんって。俺達とKが今度ユニット組むって話はもう知ってる?」


穂香も自分の知ってる話になると、得意気に話し始めた。


穂香「知ってますっ!!アオハルの天使ですよね?K様がユニット名を考えたって、この前の配信で言ってました。
どんな歌なのかな?って楽しみにしてるんです」


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