推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○妖精のお城の前。


園内の中央にある妖精の国の入り口とされる可愛らしい大きなお城。

お城全体が自撮りで映る絶好のスポットに立つ二人。

自然と顔が近付き、穂香が自撮りした写真は二人とも楽しそう。
航太にスマホの画面を見せる。


穂香「どうかな?これでいい?」


航太は写真を見て嬉しそうに笑う。


航太「いいじゃん。俺も撮るね~」


航太がスマホで撮影しようと手を伸ばした時、穂香が言った。


穂香「私が航太くんにSNSで送るよ?」


航太「あーっ。俺SNSやってないから。ごめーんっ」


穂香は航太の返事に驚きを隠せない。


穂香「えーっ!?今時の高校生で、SNSやってない人なんているの?航太くんもやりなよ~?私が教えよっか?」


穂香が少しお姉さんぶって、どや顔で話すと、航太は顔を反らして一瞬寂しそうにした後、笑顔を穂香に向けた。


航太「じゃあ今度教えてよ?」


穂香も満面の笑顔で返す。


穂香「うんっ!!」


穂香(航太くんからのメッセージなら、何だって嬉しいもんっ!!
今何してる?とか、ゲームで負けて悔しい。とか、どんな些細な事でもいい。
早くできたらいいな?)


穂香はパンフレットに指を指して、航太に見せる。


穂香「次はメリーゴーランドに乗りたいっ!!それでね?また一緒に写真撮りたいな~?」


航太「いいよ~」


メリーゴーランドに向かう二人。


(妖精のお城の前。終了)



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