推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○順番まで残り3組まで進んだ観覧車乗り場。


穂香がゴンドラと人数を確認すると、男子学生2人、孫を連れた老夫婦3人。


このままだとゴンドラは2番目の小さな男の子と老夫婦に当たる。


穂香(良かったのか?悪かったのか?変に意識しなくていいから、助かったのかも……)


すると穂香の前に並んでいたおじいさんが声をかけてきた。


おじいさん「お嬢さん。あのハートの窓のやつに乗りたいなら変わってあげるよ?」


穂香「えっ?あ……」


穂香は真っ赤な顔で航太を見た。


穂香(いや。これはありがたいのか!?せっかく言ってくれてるのに、断るのもおかしいしどうしよーーーっ!?)


航太も穂香を見て、どうする?と言わんばかりに目で合図してくる。


すると小さな男の子が、おばあさんの手を引いて言った。


男の子「僕、あのハートのやつに乗りたい」


穂香(ナイスっ!!乗りたいって言ったら、私が告白してほしいです。って言ってるみたいだからね)


穂香が断ろうと一歩前に出ると、おばあさんが頑張る。


おばあさん「こういうのは、お兄ちゃんとお姉ちゃんみたいな恋人が乗る観覧車なんだよ?」


穂香は思わず恋人じゃないですっ!!と言いそうになった時に、男の子が粘る。


男の子「どうして僕は乗れないの?」


穂香(おばあちゃんっ!!もうその子に乗せてあげてくださーいっ。恥ずかしいのでこんな所で粘らないでくださいっ)


祈る気持ちの穂香の、目の前でおばあさんが言った。


おばあさん「お兄ちゃんとお姉ちゃんくらい大きくなった時に、好きな人と一緒に乗ろうね?だから今日は変わってあげようね?」


その話を聞いた男の子が航太の前にやって来る。


男の子「いいよ。ハートの窓の観覧車変わってあげる。お兄ちゃんはお姉ちゃんの事が好きなの?」


穂香は航太が何と答えるのか?興味津々。

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