推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
穂香はその曲を聞いて、不思議そうな表情でリュウに質問する。


穂香「この歌詞を書いた人って余命宣告されてる人だったりするんですか?
初恋の歌なのに、未来が僕は一緒に見れないとか、またいつか。とかなんとか……」


リュウは困った表情で話す。


リュウ「歌詞を書いたのはKだからなぁ?何を考えてるかわからないけど……空想の話なんじゃない?」


カフェの女性スタッフ「お飲み物お持ちしました」


穂香もリュウも小さく会釈する。


穂香もこの時はよく意味がわからず、頼んでいた飲み物がやって来て話題が止まってしまう。

するとリュウが改めて、テーブルに両手をついて言った。


リュウ「それで昨日のデートどうだった?俺が作った髪型。可愛いって言ってくれた?」


不思議そうにしていた穂香の顔がパッと明るくなった。


穂香「はいっ!!半分寝ながらですけど、一応言ってくれました~っ!!」


リュウ「半分寝ながらってどんな状況だよ~?アハハ」


穂香「ジェットコースターで酔っちゃって、ベンチで寝ながら今日の穂香ちゃん可愛いって言ってくれたんですっ!!」


興奮気味に早口で話す穂香はスマホを取り出してリュウに向けて置くと、航太と一緒に撮った写真を見せる。


穂香「これがメリーゴーランドで、これがフェアリーゲートの前で……」


スライドして楽しそうに話す穂香に対して、驚いた表情で目が点になっているリュウ。


穂香「リュウさん?どうしました?」


不安そうに聞いた穂香に、リュウが言った。


リュウ「これってKじゃん?最後のデートだったんだ?ちゃんと思い出作れた?」




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