推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○航太が旅立って2週間後の夜。ホテルの最上階の夜景が綺麗なレストラン。


夏休みも中盤に入り、部活をしていない穂香は代わり映えしない日常に飽きてくる頃。
今日はリュウから夕食に誘われていた。

それもネットで話題のホテルの最上階にある夜景が綺麗なレストラン。


店内に入ると、爽やかな男性のホールスタッフが出迎えてくれる。


男性のホールスタッフ「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


黒のサマージャケットで大人っぽいリュウに合わせるように、穂香もできる限りのオシャレをしてきた。


リュウと穂香が店内に入り、席に案内されてイスに座ると、リュウが穂香を褒めてくれる。


リュウ「その格好可愛いね?凄く似合ってると思うよ」


穂香「ありがとうございます……あんまりそういうの言われ慣れてなくて、照れちゃいますね……」


近所のカフェとは違う店内の高価な雰囲気に緊張して萎縮してしまう穂香。

しかし全面ガラス張りの向こうに見える夜景を見ると、緊張がほぐれて目を輝かせた。


穂香「きれーいっ!!凄い凄いっ!!こんな風に見えるんだ~。私の学校はあの辺ですか~?」


自分達の住む街の夜景が一望できる窓側の席ではしゃいでしまう穂香を、暖かい目で見守るように見ているリュウ。


リュウ「もう高校生なんだからそんなに騒いじゃダメだよ」


穂香「はーい。静かにします……」


穂香(航太くんなら、一緒に盛り上がってくれたのかな?リュウさんはやっぱり大人だ。私もこんな落ち着いた大人の人になりたいな……)


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