推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
穂香(SNSのフォローを外して影で応援するとか、匂わせしないようにコメントしない。なんて自分に言い聞かせる為の言い訳なんだ……リュウさんにはっきり言われると、自分の気持ちを隠せない……本当は寂しい……)
穂香の表情がどんどん曇っていき、リュウから視線を反らした。
リュウ「いつ帰ってくるのかわからないのを待つのって辛くない?」
リュウの心の中に染み込んでくるような言葉に、涙が溢れそうな穂香。
穂香(もしも待ってるのが辛いって言ったら……どんな言葉をくれるんだろう……
航太くんの連絡先を教えてもらえるのかな?寂しくない方法でも教えてくれるのかな?)
そんな気持ちで、静かに言った。
穂香「辛いです……でも航太くんが頑張ってるんだから、ワガママ言えないです……」
するとリュウがいつになく真剣な眼差しを穂香に向ける。
穂香(顔が近いよ……リュウさんの目に吸い込まれてしまいそうな感覚……何?このドキドキ……)
リュウ「俺ならずっと穂香ちゃんの近くにいられるよ?アイツがダメだったら、俺と付き合ってくれないかな?」
穂香「えっ……?」
(ホテルの屋上にある展望台。終了)
(第12章~一人の夏休み~終了)