甘い罠、秘密にキス

07.弱点にキス



『最近どうなの?相方の日向くんとは』

「どうって、別に何も…」

『ピストルの引き金は引いた?案外、心が惹かれてたりしてー。あ、私いまめちゃくちゃ上手いこと言った』

「……」

『……え、なに。もしかして図星?』

「ち、違う。ちょっと別のこと考えてただけ」


翌日の昼間、ひとりで街を歩きながら香菜と電話をしているけれど、急にあいつの名前を出してくるから、無意識に昨日の事を思い出していた。


昨日あの後、桜佑のイチャイチャモードは無事に終了したため、再びショッピングモールの中をぶらぶらと歩いた。

桜佑に服を買うかと提案され、この際だからもう少し可愛らしい服を見つけようと何店舗か回ってみたけどあまりピンとこず…せめてアクセサリーでもつけたら女性らしくなれるかと思い、さりげなくピアスやネックレスも見たけど、買う勇気が湧かなくて結局手ぶらでショッピングモールを後にした。

その後少し散歩して、夕飯を食べてから私の住むアパートまで送ってもらったわけだけど。もしかすると「やっぱり泊まる」って言い出すんじゃないかと身構えたけど、桜佑は私の部屋に1歩も入ることなく、本当にそのまま帰っていった。

まさしく健全なデート。まるで高校生に戻ったんじゃないかってくらい、最初から最後まで健全だったと思う。

……いや、あの階段での行為は、ちょっとやり過ぎだったかもしれないけど。

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