甘い罠、秘密にキス

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「本当…いつも何から何までごめん…」


桜佑が作ってくれたあたたかいうどんを前に「いただきます」と手わや合わせる。もう何度目？というくらい、桜佑の生活力には驚かされている。

いやいや、本当はこんな予定ではなかった。むしろ私が下手くそな手料理を振る舞ってあげる予定だった。

だけどまぁ…桜佑の部屋に着き、玄関に入った瞬間性急に唇を奪われて、そのままベッドに移動して激しく身体を求められ、そこでまず6割の体力を消耗して。

事後、私がぐったりしている間に桜佑はお風呂にお湯をためてくれていたらしく、何故か一緒に入ることになり、またそこで逆上せそうになりながらも色々あって、3割の体力を失って…。

それ以前に、告白するのにかなりの体力を使っていた私には、もう何をする力も残っておらず。

私がベッドで休んでいる間に、桜佑がうどんを作ってくれた。しかもきつねうどん。疲れた身体にめちゃくちゃ沁みる。


「美味しい…しあわせ」

「大袈裟な女だな。普通のうどんなのに」


分かってないな。うどんも勿論だけど、思いが通じあった桜佑と、こうして食事が出来ることが幸せなんだよ。

桜佑と繋がっている時、彼がいつものように「好き」って言ってくれたのに対し、初めて「私も」と返した。その瞬間、心も身体も満たされて、涙が出そうになった。

好きな人に好きって伝えられるって、なんかいいな。今まで桜佑にはたくさん愛情をもらったから、私も同じくらい返してあげたい。


「そういえば、服貸してくれてありがとう。普段こんなに大きい服を着ることってないから、なんか新鮮」


桜佑から借りたスウェットは、背の高い私が着てもダボッとしている。萌え袖？彼シャツ？みたいで、ちょっと嬉しい。


「しかも桜佑の匂いがする」


スンスンと匂いを嗅いだあと思わずニヤけると、正面に座っていた桜佑の眉がピクリと動いた。


「なんでお前そうやって、すぐ可愛いこと言うかな」

「え？」

「なぁ、あとでもう1回したい」

「ごめん、それは無理」


もうそんな体力、どこにも残ってないよ。