甘い罠、秘密にキス
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「佐倉さんおはようございます…って、あれ、なんか顔色悪くないですか?」
「やっぱり?」
出社してすぐにデスクに突っ伏していたせいか、川瀬さんが私の顔を覗き込みながら心配そうに声を掛けてくる。
「佐倉さん、昨日そんなに飲んでましたっけ」
「そうだね…もう二度とあんなに飲まないと誓うよ」
川瀬さんと別れた後の出来事を知らない彼女は不思議そうに首を傾げる。そんな川瀬さんは今日も服装がオシャレで髪型も可愛くアレンジしていて、目の前に女神がいるのかと一瞬勘違いしてしまいそうになった。
早朝からずっと桜佑を見ていたせいか、余計に川瀬さんが輝いて見える。心が浄化される。ずっと川瀬さんだけを見ていたい。
そう思ってしまうくらい、彼女は容姿端麗という言葉がよく似合う。インスタのフォロワーも私と比べると桁がふたつくらい違う。もはや芸能人レベル。
「川瀬さんは昨日無事に帰れた?」
「はい。コンビニまで送ってくださってありがとうございました」
「いいんだよ。川瀬さんのイケメン彼氏にも挨拶が出来たし」
「佐倉さんの方がイケメンですよ」
「なんでだろうな、今日はイケメンって言われた方が落ち着く気がする」
「?」
ふとした時に思い出す。桜佑の熱い視線。髪に触れた手。くすぐったくなるような台詞に、不意打ちで重なった唇…。
「あああああ」
「さ、佐倉さん?」
無理。無理無理無理。あんな桜佑知らないもん。婚約者ってなに。どんな顔して一緒に仕事すればいいの。
「…川瀬さんって今の彼氏と結婚するの?」
「え?そうですね、同棲しているのでこのまま何事もなければ…」
「てことは、婚約者みたいなもの?」
「プロポーズされたわけじゃないですけど、たまに結婚の話はしますよ」
「……」
なんだこの幸せオーラ。いや私達がおかしいだけで、これが普通の形なのだ。同じ婚約者でも、どうしてこうも違うのだろうか。
「佐倉さんおはようございます…って、あれ、なんか顔色悪くないですか?」
「やっぱり?」
出社してすぐにデスクに突っ伏していたせいか、川瀬さんが私の顔を覗き込みながら心配そうに声を掛けてくる。
「佐倉さん、昨日そんなに飲んでましたっけ」
「そうだね…もう二度とあんなに飲まないと誓うよ」
川瀬さんと別れた後の出来事を知らない彼女は不思議そうに首を傾げる。そんな川瀬さんは今日も服装がオシャレで髪型も可愛くアレンジしていて、目の前に女神がいるのかと一瞬勘違いしてしまいそうになった。
早朝からずっと桜佑を見ていたせいか、余計に川瀬さんが輝いて見える。心が浄化される。ずっと川瀬さんだけを見ていたい。
そう思ってしまうくらい、彼女は容姿端麗という言葉がよく似合う。インスタのフォロワーも私と比べると桁がふたつくらい違う。もはや芸能人レベル。
「川瀬さんは昨日無事に帰れた?」
「はい。コンビニまで送ってくださってありがとうございました」
「いいんだよ。川瀬さんのイケメン彼氏にも挨拶が出来たし」
「佐倉さんの方がイケメンですよ」
「なんでだろうな、今日はイケメンって言われた方が落ち着く気がする」
「?」
ふとした時に思い出す。桜佑の熱い視線。髪に触れた手。くすぐったくなるような台詞に、不意打ちで重なった唇…。
「あああああ」
「さ、佐倉さん?」
無理。無理無理無理。あんな桜佑知らないもん。婚約者ってなに。どんな顔して一緒に仕事すればいいの。
「…川瀬さんって今の彼氏と結婚するの?」
「え?そうですね、同棲しているのでこのまま何事もなければ…」
「てことは、婚約者みたいなもの?」
「プロポーズされたわけじゃないですけど、たまに結婚の話はしますよ」
「……」
なんだこの幸せオーラ。いや私達がおかしいだけで、これが普通の形なのだ。同じ婚約者でも、どうしてこうも違うのだろうか。