☆ネット恋愛と音楽の物語☆Sepia Color Filter~セピア色の今~
 数日後、涼太と渋谷で待ち合わせた。
 
 パソコンに異常に詳しいことやログの言葉の選び方、ネット上でのキャラ等から勝手に想像していた印象とはまるで違うタイプの人だった。

 「なんだ、フツーにカッコいいじゃんか」

 携帯を片手に遠くから手を振って近付いてくる涼太に電話越しに言った。 

 「どうするよ?これが俺らが回線越しに聞く最後のバーチャルな声だぜ」
 
 数メートル先で立ち止まった涼太が冷やかすように言う。
 
 あたし達は電話を切り、リアルになった。
 
 

 
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