S h o u t !‐叫べ‐
@第1章‥全ては突然に
入学式
今日も丘の上に建つ小さい家から
うるさい声が聞こえてくる。
「優子~!赤のマニキュア貸して!」
リビングの方から
お母さんの声が聞こえる。
あたしは自分の部屋を出て
お母さんのいるリビングへ向かった。
「お母さん!もう7時50分だよ!!
遅刻するよ!それに
赤いマニキュアなんて派手過ぎ!」
「え~っ…仕方ないなぁ!
優輝は用意出来てんの?
…あっ、そこのコサージュ取って!」
「ったく…!」
お母さんは綺麗なスーツを来て
あたしは新しい制服を着る。
今日は4月10日。
そう、今日はあたし達姉弟の
谷津(ヤツ)高校の入学式。
「部屋行って優輝見て来るから。
お母さん、ちゃんと用意しててね!」
「はいは~い。」