S h o u t !‐叫べ‐
優輝の部屋は玄関から一番奥の部屋で
あたしの部屋の2つ横。
「優輝、用意出来てんの?
もうすぐ行くよ。」
優輝はあたしと同じ、真っ茶色の瞳。
「ん、出来てる。」
部屋の鏡に向かって
髪型を整えている弟が言った。
優輝は元々無表情で
その上マセている。
小さい頃からケンカを
売られる事が多い子だった。
「そ、じゃあリビング行こう。」
「うん。」
中学になってもそれは変わらなかった。
だから、ケンカを売られる度に
あたしは優輝をかばっていたから
高校生にもなって…まだ姉弟離れが
出来ていないと言うか、シスコンと言うか…
ま、そんな感じ。
「お母さ~………」
2人でリビングに行くと
お母さんがお仏壇に手を合わせていた。
あたし達は顔を見合わせ
お母さんの後ろで静かに手を合わせた。
お父さんのお仏壇に向かって。