S h o u t !‐叫べ‐




      ◇


「あら!優子

どこにいたの?」



あたしが駆け付けると

先にお母さんが気付いた。


「ハァ…ハァ…、先輩に…

捕まってた~。」



乱れた呼吸を整えながら

あたしが言うと、自販機の

横にもたれていた優輝がこっちへ来た。

それに気付いて、お母さんは


「あら、この学校に先輩なんかいたの?」

と優輝に訪ねた。



「あのチャラチャラ

してる人達でしょ」


優輝の嫌味な感じに言った

それを聞いて

優輝は説明するかのように

そう言って来た。



「ああ…うん、まあ…。」


間違ってはいないから

否定はできない。

あたしはお母さんを

チラッと見た。

『そんな人達が先輩だなんて!』

なんて言いださないか

少し心配だったから。


だけどその考えは無駄だった。


「えっ!?イケメン!?

ねぇイケメンなの!?

もしかしたら、優子の

将来の彼氏になるかも

しれないわよ~!」


と、優輝に向かってうふふ

と笑いながら言っている。


ミーハーとは、こう言う人の

ことなのだろうか…。






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