S h o u t !‐叫べ‐
「優子、優子」
その声に気付き薄く目を開けると
面倒くさそうな顔をした優輝が
あたしを呼んでいた。
「…あ~…優輝」
「ご飯出来たよ、起きて。食べよう。」
そう言われて、キッチンを見渡す。
お母さん達が作っていた
コロッケが完成していて
お皿に山盛りだった。
優輝はあたしが起きたのを確認すると
キッチンにある机のイスに座った。
「あー…」
あたしは寝ぼけながらも
キッチンへ行った。
今日の夕食は
入学式の話ばっかりだった。
恋人出来るかとか出来ないとか。
お父さんが昔、人見知りで
クールだったから、優輝は特に
お父さんに似て友達が
出来ないんじゃないか、とか。
うちの家は実際、ご飯中は
あまり会話をしない家だから
盛り上がったと言っても
しれていると思うけど。
「優輝に限らず、優子も
昔から人見知りなんだから
2人共頑張って友達作りなさいよ!
高校楽しめないわよ~!」
と、お母さんがケラケラ笑いながら
話していたのを一番覚えている。
あたし達は苦笑いをしながら
うなずいた