S h o u t !‐叫べ‐




あたし達家族は

お母さんとあたしと優輝の

3人家族で、お父さんは

あたしが中2の時に34歳で他界。


小説やマンガの読みすぎか

今だに実感が沸かないけれど…

近所のおばちゃんが言うには

まだ若かった…らしい。



あたしと優輝は顔の似ていない双子の

0時を挟んで生まれた

誕生日が1日違いの姉弟。

優輝はお母さんに似て少し猫っ毛だ。




しばらく手を合わせていると

お母さんが動いた。



「優子~…わっ!?

2人共いたの!?」



「いたよ。」


びっくりした顔のお母さんに対して

無表情の優輝が答える。



「あっ!!8時来てる!!」

何気なく腕時計を見ると

時間が来ていた。


ちなみに、あたしの好きな桜色の

シンプルな腕時計だ。

入学祝いに、お母さんが

プレゼントしてくれた。

優輝のは、薄いブルー。



「じゃあ行きましょ!

早く車に乗って。」


「はーい。」

「ん。」



家を出て、お母さんの車の

後部座席のドアを開ける。


ガチャ。



お母さんの車の中は、薄く

ライオンハートの匂いがする。


お父さんが使ってた

香水だからかな…



おかげであたしの新品の制服は

ライオンハートの匂いになりそうだ。




優輝も、隣りで制服を

軽くパタパタと煽っていた。











< 3 / 33 >

この作品をシェア

pagetop