結婚しないために婚約したのに、契約相手に懐かれた件について。〜契約満了後は速やかに婚約破棄願います〜
その17、伯爵令嬢と策略。
ナジェリー王国第2王女、エステルはとても可愛く華やかで綺麗に輝く銀細工を手に取り、ニヤケそうになるのを堪えて眺めていた。
「……ホントに素敵」
美しい銀細工をさらに華やかに仕上げている石達が、宝石になれなかった小さなカケラだと一体誰が思うだろう。
『売り込み方法を変えてみませんか?』
ルキにそう提案されたのは、歓迎の宴の次の日の事だった。
姉のアネッサとこの国の王弟殿下とのお見合いは継続中なので、視察も兼ねて王都の様々な場所を巡ることになっていた。
いくらぼっちが辛いからといって、さすがに姉のお見合いデートについて行くのはなぁとはじめはエステルはひとりで城内にいる予定だった。
だがアネッサから、
『お見合いといっても非公式だし、護衛も側近も沢山いるのよ。滅多に海外の公務につかないのだからいらっしゃい』
と言われ渋々エステルは了承した。
だが、その数時間後には、エステルは姉に心から感謝していた。
沢山の側近の中でもルキの存在はすぐ目に止まった。まぁルキ以外知っている人がいないというのもあるのだが、沢山の視線が彼に注がれているのが遠目でも分かった。
とても忙しそうにしているし、今日は鉱物や宝石の話はできないかなとしゅんとしているとそれに気づいたらしいアネッサが王弟殿下に耳打ちし、その後すぐルキが来てくれた。
それからずっとエステルのエスコートはルキが担当してくれている。
『こういうのもお好きかと思いまして』
そんな視察の最中、若干精神的にまいりかけていたエステルを心配したルキが予定を変えてわざわざ連れて行ってくれたのが銀細工の工房だった。
職人達の手で造られる繊細で細やかな細工達。エステルは疲れなど忘れて夢中になって見物していた。
クスクスと笑うルキを見てエステルは我に返る。そんなエステルに楽しんで頂けているようで嬉しいと言ったルキが提案してくれたのだ。
この銀細工にエステル王女殿下が持ったきたとっておきの石のカケラを散りばめてアクセサリーを作ってみませんか? と。
「……ホントに素敵」
美しい銀細工をさらに華やかに仕上げている石達が、宝石になれなかった小さなカケラだと一体誰が思うだろう。
『売り込み方法を変えてみませんか?』
ルキにそう提案されたのは、歓迎の宴の次の日の事だった。
姉のアネッサとこの国の王弟殿下とのお見合いは継続中なので、視察も兼ねて王都の様々な場所を巡ることになっていた。
いくらぼっちが辛いからといって、さすがに姉のお見合いデートについて行くのはなぁとはじめはエステルはひとりで城内にいる予定だった。
だがアネッサから、
『お見合いといっても非公式だし、護衛も側近も沢山いるのよ。滅多に海外の公務につかないのだからいらっしゃい』
と言われ渋々エステルは了承した。
だが、その数時間後には、エステルは姉に心から感謝していた。
沢山の側近の中でもルキの存在はすぐ目に止まった。まぁルキ以外知っている人がいないというのもあるのだが、沢山の視線が彼に注がれているのが遠目でも分かった。
とても忙しそうにしているし、今日は鉱物や宝石の話はできないかなとしゅんとしているとそれに気づいたらしいアネッサが王弟殿下に耳打ちし、その後すぐルキが来てくれた。
それからずっとエステルのエスコートはルキが担当してくれている。
『こういうのもお好きかと思いまして』
そんな視察の最中、若干精神的にまいりかけていたエステルを心配したルキが予定を変えてわざわざ連れて行ってくれたのが銀細工の工房だった。
職人達の手で造られる繊細で細やかな細工達。エステルは疲れなど忘れて夢中になって見物していた。
クスクスと笑うルキを見てエステルは我に返る。そんなエステルに楽しんで頂けているようで嬉しいと言ったルキが提案してくれたのだ。
この銀細工にエステル王女殿下が持ったきたとっておきの石のカケラを散りばめてアクセサリーを作ってみませんか? と。