結婚しないために婚約したのに、契約相手に懐かれた件について。〜契約満了後は速やかに婚約破棄願います〜
「誰ですか、その企画立てたの」
「お義母様の監修ですよー」
可愛いを追求したい女の子達大活躍! ストラル伯爵領の女の子達は活気があっていいですねとベロニカは領地にいる義母とその義母に弟子入りした女の子達を思い浮かべる。
『目指せいい女! ウェルカムいい旦那!!』
と、婚活も活発らしく人口増も期待できそうなので、ストラル伯爵領は安泰だ。
「いいなぁ、私もお義母様に会いたい」
ベルはベロニカの話を聞かながら、最近なかなか領地に行けないため会えていない義母に思いを馳せる。
「私も行きたいです。でも、今遠出は伯爵が許してくれないんですよねぇ」
「えー今そんな立て込んでます?」
「んーそうじゃないんですが……私の話はまた今度にして、これで早速お化粧しましょ」
不思議そうに首を傾げたベルに、時間がありませんと急いで着替えさせたベロニカはどこからか沢山のブラシを取り出して、ベルに化粧を施した。
「軽い付け心地! それに発色いいですね」
「でしょ、でしょ! というわけで、隙あらば宣伝してきてください」
領地の新しい産業にしたいので、とサンプルをベルに差し出す。
「いえっさー! 任せてお義姉様!!」
来た、コレ!! 絶対売れる!! とガッツリ稼げる予感にベルのやる気メーターが上がった。
「あ、姉さん。間に合って良かった」
そこに息を切らせて走って来たハルが声をかける。
「ハールー!!」
ハルの姿を見つけたベルはいつものごとくぎゅっと抱きつき、元気だった? また大きくなったんじゃない? と最愛の弟を愛でる。
「あははっ、今日の姉さんはいつも以上に可愛いね。僕ももっと可愛くしていい?」
そんなベルの大歓迎になれているハルはさらっと流すと座って? とベルを促しどこからかコテを取り出した。
「はぁーハルっ! 相変わらずの器用さよ」
あっという間に髪を巻かれ、編み込まれお嬢様風に仕立てられた自分を見てベルはハルに賛辞を述べる。
「誕生日プレゼント、バレッタがいいかなって。ちなみにベロニカ義姉さんにも色違いでプレゼント」
と綺麗にラッピングされた箱をベロニカに渡す。
「あと、夏とはいえ2人とも、とくにベロニカ義姉さんは身体冷やしちゃダメだよ。というわけで2人ともブランケットもあげちゃう」
冷風機のあるところは冷えるからと、ハルはふわっとベロニカの肩にブランケットをかけてあげ、これから出かけるベルには小さくまとめカバンにしまえるようにしてあるブランケットを差し出す。
「天使っ! うちに天使がいるわお義姉様!!」
「はぁ、本当、どーして我が家にこんな気遣いのできる良い子が育ったのでしょうか?」
「あはは、姉さん達の(わがままに付き合った)おかげだよ。いつもありがとう」
「受け答えまで100点満点花丸です!」
「さっすがハル! 1億点よ!!」
この2人によってシスコンに育てられた自覚のあるハルは、2人が嬉しそうで良かったよとにこやかに微笑んだ。
「さて、とにもかくにもこれで準備バッチリですね」
私の義妹が世界で一番可愛いですと満足気に抱きつくベロニカに、
「とっても素敵なんだけど、やり過ぎじゃないかしら? なんだか貴族令嬢になった気分よ」
着飾る予定のなかったベルはベロニカとハルの仕事ぶりを鏡を見ながらそんな風に苦笑する。
「姉さん、働き過ぎで忘れてるかもしれないけど、姉さん伯爵令嬢だから」
バリキャリの営業マンだろうが、普段着飾ってお茶会だの舞踏会だの行ってなかろうが、貴族として名を連ねている以上ベルはれっきとした貴族令嬢である。
そうだったと一瞬顔を顰めたベルに苦笑したハルは、そろそろ時間でしょ? いってらっしゃいとにこやかに見送った。
「お義母様の監修ですよー」
可愛いを追求したい女の子達大活躍! ストラル伯爵領の女の子達は活気があっていいですねとベロニカは領地にいる義母とその義母に弟子入りした女の子達を思い浮かべる。
『目指せいい女! ウェルカムいい旦那!!』
と、婚活も活発らしく人口増も期待できそうなので、ストラル伯爵領は安泰だ。
「いいなぁ、私もお義母様に会いたい」
ベルはベロニカの話を聞かながら、最近なかなか領地に行けないため会えていない義母に思いを馳せる。
「私も行きたいです。でも、今遠出は伯爵が許してくれないんですよねぇ」
「えー今そんな立て込んでます?」
「んーそうじゃないんですが……私の話はまた今度にして、これで早速お化粧しましょ」
不思議そうに首を傾げたベルに、時間がありませんと急いで着替えさせたベロニカはどこからか沢山のブラシを取り出して、ベルに化粧を施した。
「軽い付け心地! それに発色いいですね」
「でしょ、でしょ! というわけで、隙あらば宣伝してきてください」
領地の新しい産業にしたいので、とサンプルをベルに差し出す。
「いえっさー! 任せてお義姉様!!」
来た、コレ!! 絶対売れる!! とガッツリ稼げる予感にベルのやる気メーターが上がった。
「あ、姉さん。間に合って良かった」
そこに息を切らせて走って来たハルが声をかける。
「ハールー!!」
ハルの姿を見つけたベルはいつものごとくぎゅっと抱きつき、元気だった? また大きくなったんじゃない? と最愛の弟を愛でる。
「あははっ、今日の姉さんはいつも以上に可愛いね。僕ももっと可愛くしていい?」
そんなベルの大歓迎になれているハルはさらっと流すと座って? とベルを促しどこからかコテを取り出した。
「はぁーハルっ! 相変わらずの器用さよ」
あっという間に髪を巻かれ、編み込まれお嬢様風に仕立てられた自分を見てベルはハルに賛辞を述べる。
「誕生日プレゼント、バレッタがいいかなって。ちなみにベロニカ義姉さんにも色違いでプレゼント」
と綺麗にラッピングされた箱をベロニカに渡す。
「あと、夏とはいえ2人とも、とくにベロニカ義姉さんは身体冷やしちゃダメだよ。というわけで2人ともブランケットもあげちゃう」
冷風機のあるところは冷えるからと、ハルはふわっとベロニカの肩にブランケットをかけてあげ、これから出かけるベルには小さくまとめカバンにしまえるようにしてあるブランケットを差し出す。
「天使っ! うちに天使がいるわお義姉様!!」
「はぁ、本当、どーして我が家にこんな気遣いのできる良い子が育ったのでしょうか?」
「あはは、姉さん達の(わがままに付き合った)おかげだよ。いつもありがとう」
「受け答えまで100点満点花丸です!」
「さっすがハル! 1億点よ!!」
この2人によってシスコンに育てられた自覚のあるハルは、2人が嬉しそうで良かったよとにこやかに微笑んだ。
「さて、とにもかくにもこれで準備バッチリですね」
私の義妹が世界で一番可愛いですと満足気に抱きつくベロニカに、
「とっても素敵なんだけど、やり過ぎじゃないかしら? なんだか貴族令嬢になった気分よ」
着飾る予定のなかったベルはベロニカとハルの仕事ぶりを鏡を見ながらそんな風に苦笑する。
「姉さん、働き過ぎで忘れてるかもしれないけど、姉さん伯爵令嬢だから」
バリキャリの営業マンだろうが、普段着飾ってお茶会だの舞踏会だの行ってなかろうが、貴族として名を連ねている以上ベルはれっきとした貴族令嬢である。
そうだったと一瞬顔を顰めたベルに苦笑したハルは、そろそろ時間でしょ? いってらっしゃいとにこやかに見送った。