侯爵閣下。私たちの白い結婚には妥協や歩み寄りはいっさいないのですね。それでしたら、あなた同様私も好きなようにさせていただきます
「それだけか? バート、今夜は遅くなる」
「旦那様」
侯爵はわたしに一瞥すらくれず、開いたままの玄関扉の向こうへとズンズンと歩いて行ってしまった。
夕食の約束をしているレディのもとへ向かう為に。
バートは、慌てふためきながら追いかけて行った。
胸の鈍い痛みは続いている。それを感じないようにする為、わざと笑顔を作ってみた。
笑顔でいると、気分が明るくなる。
それがわたしなりの気分転換。気力を維持する方法。
とりあえず、これで堂々と外出出来る。
明日、さっそくアールと一緒に王立公園に行ってみましょう。
うれしくなってきた。厨房に向いながら、自分がスキップしていることに気がついた。
もっとも、歩きたての小鹿みたいにブルブルしながらだけど。
「旦那様」
侯爵はわたしに一瞥すらくれず、開いたままの玄関扉の向こうへとズンズンと歩いて行ってしまった。
夕食の約束をしているレディのもとへ向かう為に。
バートは、慌てふためきながら追いかけて行った。
胸の鈍い痛みは続いている。それを感じないようにする為、わざと笑顔を作ってみた。
笑顔でいると、気分が明るくなる。
それがわたしなりの気分転換。気力を維持する方法。
とりあえず、これで堂々と外出出来る。
明日、さっそくアールと一緒に王立公園に行ってみましょう。
うれしくなってきた。厨房に向いながら、自分がスキップしていることに気がついた。
もっとも、歩きたての小鹿みたいにブルブルしながらだけど。