侯爵閣下。私たちの白い結婚には妥協や歩み寄りはいっさいないのですね。それでしたら、あなた同様私も好きなようにさせていただきます
 それはともかく、いいのは部屋の居心地だけでない。侯爵家のメイドや執事や料理人たちは、親切で面倒見のいい人ばかりである。

 王宮の使用人たちとはまったく違う。

 だけど、親切にされたりかまってもらうことに慣れていないわたしは、どうしても気おくれしてしまう。だから、すごく不自然で不愛想な印象を与えているに違いない。

 なにせわたしは「ソッポ王女」と呼ばれて評判が悪いらしい。だから、それにふさわしく思われていてもおかしくない。

 いつの間にか、王宮内の人々に不愛想かつ傲慢という認識をされていた。不愛想で傲慢で、いつもソッポ向いている。
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