侯爵閣下。私たちの白い結婚には妥協や歩み寄りはいっさいないのですね。それでしたら、あなた同様私も好きなようにさせていただきます
 そこから「ソッポ王女」とつけられたらしいけれど、そんなことはまったくない。

 そもそも、そう認識されるほどだれかと付き合ったことはない。それどころか、だれかに見られることもなかった。

 ほんと、わたしをどこまで貶めたらいいのかしら。だいたい、わたしみたいに価値のない人間を貶めて、なんの得になるのかしら? 意味があるのかしら?

 そう考えざるを得ないけれど、暇を持て余す人たちは、そういうことであらゆる隙間を埋めているのかもしれない。
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