婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「はあ、やっと飯が食える」
一通り挨拶回りを終えて、ようやくパーティーの美味しいご飯とワインを楽しむことに。
ベランダのテラス席でビュッフェから持ってきた料理をいただいた。
「ん〜!美味しい!」
朝昼は皇輝のイングリッシュブレックファーストを食べて、夜はホテルのビュッフェディナーなんて最高すぎる。
贅沢させてもらってるなぁ。
「よく食うな」
「だって美味しいし、せっかくなら食べなきゃ損だもの」
私が持ってきた皿には、グラタンやパエリア、オムレツにサラダにピザまで。
どれも美味しそうだから、いっぱい取ってきちゃった。
色んな人と話してすごく緊張したし、余計にお腹が空いてしまったんだよね。
「妃乃って何でも旨そうに食べるよな」
「そう?」
「そこがかわいい」
不意打ちのかわいいはずるくない……?
「……。」
「なんだその変な顔は」
「だって、皇輝ずっと変じゃない。
なんかすごく甘いっていうか…今までそんな風じゃなかったのに、どう反応していいかわからなくて……」
かわいいとか綺麗とかこんなに直球で言うような性格じゃなかったと思うんだけど。
すると皇輝はワインを一口飲み、楽しそうに笑った。
「黙って隠してただけで、昔からずっと思ってたけどな」
「そうなの!?」
「今は隠さなくていいから、ちょっと浮かれてる」