婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。


何を言っているんだと呆れたが、使えることは事実なのでそのまま秘書にして連れて行き、今に至る。


「キノさんと喧嘩したの?」

「してねぇよ…」

「ボクに調べさせた岸遼馬って男、ハイスクールの同級生なんだネ。
もしかしてキノさんの元恋人だったりして」

「誰がそんなことまで調べろっつった!」

「やっぱりそうなんだ!うわーーコウキ、公私混同は良くないヨ!!」

「うるせえな!!」


こいつは仕事はできるし、めちゃくちゃ早いが余計なことまで持ってきやがる。


「キノさんが浮気してるって思ったの?」

「思ってねぇよ!妃乃が浮気なんて絶対有り得ない」


元カレに浮気されて傷ついた妃乃が、自分も浮気なんてするはずがない。


「じゃあ、コウキの一方的なジェラシーだ」

「……。」

「よくないよネ。やっと長年の片想いが実って浮かれる気持ちはわかるけど、男のジェラシー程醜いものはないヨ」

「さっきからうるせぇな!!ボーナスカットするぞ!!」

「横暴な社長だヨ〜」


社長に向かってこんな軽口を叩く秘書なんか雇うんじゃなかったな。

だけど、こいつの有能さは悔しいけど認めざるを得ない。
社内での評判まで事細かにまとめられていて、最早探偵か?というくらいだ。


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