婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「クッソ!!あのアホ親父!!」
「大丈夫なの?」
「おいルーク、今日の予定追加だ」
「えっ」
「後でリストアップした企業送るから、そこになるべく回るぞ」
「えーー!今もスケジュールキツキツなのに、更に!?」
「どうにか調整しろ。秘書の仕事だろ」
「横暴だヨ〜」
弱音を吐きながらもすぐにスケジュールを確認し始めるルーク。
俺もなるべく営業をかけられそう、または営業まで行かなくても「近くに寄ったので」と挨拶ができそうな企業をリストアップしていく。
Bプロも成功させ、チェスターの業績アップも実現してみせる。
そのためには社員たちのモチベも向上させなきゃいけない。
一回一人ずつと面談してみるってのもありかもな。
実はやりたいこと、不満に思ってること、変えていきたいこと。
そういうのを聞き出して業務改善にも繋げていきたい。
やることは山積みだ。
でも、全部やり遂げて親父を認めさせてやる。
――誰にも邪魔されてたまるか。
やっと俺のものになったんだ。
今更妃乃を手離すとか有り得ねえんだよ。
どんな手段を使ってでも、必ずやり遂げてみせる。
その時、また電話が鳴った。
今度は誰だよ!とイライラしながらスマホの画面を見た。
「! これは――……」