婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
14.信じたいのに
「相田さん、進捗はどう?」
「あと半分くらいです…」
「私も手伝います」
「ありがとうございます!本当にご迷惑ばかりかけて……」
「泣いてる暇なんかない。やりましょう」
「は、はいっ!」
しばらくオフィスの中はカタカタというキーボードを叩く音だけが響く。
相田さんも他のみんなも頑張ってくれてる。
この調子なら明日の納期には間に合いそう。
「相田さん、今日はここまでにしましょう」
「え、でも……」
「この調子なら間に合うから。フォローしてくれた二人にちゃんとお礼言っておいてね」
「ありがとうございます、リーダー!本当にすみませんでした…っ!」
「次は気をつけて。今日も退勤前にしっかり確認してから帰ってね」
「はいっ!」
とりあえず相田さんは帰らせて、私はもうひと頑張り。
プレゼンの原稿も作らないといけない。
全く急すぎて困るけど、文句は言えない。
絶対に通過しないと――…!!
そして翌日。
早朝から出勤し、何とか資料が完成した。
「できたーー!!」
「皆さん…っ、本当にありがとうございます……!!」
相田さんはボロボロと涙を溢しながら、何度もお礼を言った。
「頑張ったね。山田くん、沢井さんもありがとう」
「いえいえ、リーダーこそお疲れ様です」