婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
15.最後の恋
チームメンバー全員とPCの前で固唾を飲む。
一次選考の結果が、今から開くメールに書かれている。
「……見るよ?」
「はい」
「みんな、いい?」
「はいっ」
「本当に開くけどいい?」
「リーダー!早くしてください!!」
だって緊張するんだもの!!
さっきからマウスを握る手に汗が滲んで滑るんだから!!
「み、見ますっ!」
えいっ!とマウスをカチッとクリックする。
開いたメールに書かれていたのは、
「い、一次選考通過……やった!やったよみんなっ!!」
「やったーー!!」
一次選考通過のお知らせ……!!
これで最終コンペに進める――…!!
「みんな本当にありがとう!!あともうひと頑張り、みんなで協力してやり切りましょう!」
「はいっ!」
「あ、あのリーダー」
「何?」
「最終コンペ、博誠堂とうちのタイマンになるみたいです……」
言われてメールを見返すと、確かに通過したのはチェスターと博誠堂だけだった。
「マジか」
「いやでもすごくないですか!?最大手の博誠堂と肩を並べるなんて!」
確かにそれはすごい。
うちはまだまだ無名の中小企業だし。
だけどこれ、本当に肩を並べたと言えるのかしら――…?
その時、私のスマホが鳴った。
電話の相手は阿僧さん。
私はコホンと咳払いをしてから、姿勢を正して電話に出る。