婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
言い返したいのに、言葉が出てこない。
というより、言い返す気力すらない。
こんなにもバカにされて震える程怒りが込み上げているし、悔しくて仕方ないのに喉元で詰まって言葉に出せない。
何か言おうとすると過呼吸になりそう。
やっぱり、パーティーなんて来なければよかった――
「俺の婚約者を傷付けるな」
えっ……?
突然背後から、長くてがっしりとした腕に抱かれ、引き寄せられていた。
「彼女がこの俺の婚約者だと知っていての暴言?」
え、うそ、なんで……?