婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
先にお風呂に入って出てきたら、ほかほかとしたご飯が並んでいた。
「これ、皇輝が作ったの……?」
「うん」
よく見たら私の好きなものばかり並んでる。
私のために作ってくれたんだ。
「……いただきます」
ぱく、と一口食べてじんわりと温かさが広がって胸に沁みる。
すごく美味しい。
皇輝の性格が出ているのか、切った野菜は大きさが不揃いだ。
ちょっと不恰好でも私のために作ってくれた気持ちが嬉しい。
「……美味しい」
「そっか、よかった」
安心したようにホッとする皇輝の笑顔を見て、胸の奥がきゅっとする。
「…話してもいいか?」
「うん……」
正直すごく怖いけど。
一旦箸を置いて、呼吸を整えた。
「福岡ではメインの仕事の他に営業かけられそうな企業への挨拶回りもしてたんだけど、そこである人に声をかけられて今新規事業を進めてる。
詳細は妃乃が社員である以上、まだ話せるようなことじゃなくて…その件で一時的に東京に戻ってたんだ。
その足でまた福岡戻ってさっき帰ってきたんだけどな」
「だったらそう言ってくれたらよかったのに」
「悪かった。一時的だったしゆっくりしてる暇もなかったから、つい」
「じゃあ、一緒にいた女性は誰?」
「それは……」