婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
抗議してもガンスルーされ、妃乃はやたら嬉しそうにソファに座ってアルバムのページを捲り始めた。
「変な写真入れてないだろうな…?」
「アタシにとっては全部かわいい甥っ子だもの♡
それより、これ」
「?」
差し出されたのは何かの資料だった。
1枚捲って目を通す。
「これは……」
「感謝しなさいよー?アンタがアタシの甥じゃなかったらここまでしないんだからね」
俺は今、ジュリーが紹介してくれた海外の広告系企業の社長と連携し、新規事業立ち上げを企画している。
それは海外向けのデジタル広告事業だ。
海外に発信する英語版の広告を作成から配信までのサポートをする。
その社長からの業務連携が正式に受理された書類だった。
「やった…!ありがとう、ジュリー」
「いいのよぉ。その代わり何かあったらうちの店使ってね。今度東京にも店舗出すから」
「わかった。それにしても、受理してもらえたか…よかった」
「皇輝の熱意を買ってくれたんだって。若いのにすごい、負けてられないってさ」
「当然だろ。俺だからな」
「皇輝のその王様気質、お義兄さんの教育なのよねぇ。姉が言ってたもの、子どもの頃から人の上に立つ教育させてたって」