婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
Bプロの成功、新規の海外広告事業もやっと軌道に乗ってきたところで、チェスターの業績は右肩上がりだ。
そして今日はベリーズランドの開園25周年ということで、家族で遊びに来た。
「姫ちゃん、みてみて。あっちにイチゴちゃんいるよ!」
「イチゴちゃん!」
姫輝は皇輝の腕の中から飛び出し、イチゴちゃんに向かって駆け出す。
「危ないから走っちゃダメ!」
そう言った直後に姫輝はドタッと転んでしまった。
「姫輝!!」
「大丈夫!?」
すぐに駆け寄り、皇輝は姫輝を抱き起こす。
「大丈夫か、姫!怪我してないか?姫に何かあったら……!」
「ちょっと皇輝、落ち着いて!」
「だいじょうぶ。ひめ、いたくない」
「姫輝……!」
「いたくないよ」
「いつからそんなに強い子になったんだ!正しく本物のお姫様だな!」
そう言って姫輝をぎゅうぎゅうと抱きしめる皇輝。
全く、本当に親バカなんだから……。
「パパ。ひめ、イチゴちゃんとしゃしんとる」
「そうだな。それなら今からパパが掛け合ってイチゴちゃんのスケジュールを押さえよう」
「何言ってんの!?スケジュール押さえるって何!?」
「姫輝だけの時間があった方がいいだろ」