婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。


* * *


「チェスター株式会社に?私が?」

「そう。入社手続きは進めてあるから、この書類にサインしといて」

「ちょっと待って!?どういうこと!?」


時は遡り、皇輝から偽装結婚を言い渡されたスイートルーム。

偽装結婚の次は入社手続きとは、本当になんて王様なの……。


「さっきも言ったけど、俺はチェスターの社長に就任することになった。
チェスターは天王寺グループの子会社の広告代理店だ」

「うん、もちろん知ってるけど…」

「はっきり言うと、チェスターの業績はここ数年ずっと右肩下がりなんだよ。
競合他社に勝てなくて、ずっと低迷してる。

だから俺が社長としてチェスターの業績回復を任されたわけだ。
親父からのミッションってわけだな」


ミッションが低迷気味の会社の立て直しなんて相当ハードかつリスキーだけど…いずれは天王寺グループのトップに立つのだから、当然のミッションなのだろうか。


「俺は業績回復の切り札として、ある案件をもぎ取った。
それがベリーズランドの20周年PRを一手に担う、言わばベリーズランドプロジェクトだ」


ベリーズランドは誰もが知る人気テーマパークだ。
大人も子どもも楽しめて、私も歩と何度も行った場所……ウッ自分で自分の傷を抉ってしまった。


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