婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「天王寺さん、お先に失礼します。お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
残業して作成しているのは、メンバー一人ずつのプロフィールをまとめたスライド。
写真付きでみんなからもらった自己紹介の内容を簡単にまとめた。
あとは気づいたことがあれば、随時追加していきたい。
とりあえずBプロメンバーだけだけど、ゆくゆくはクリエイティブセンター全員分作れたらいいな。
「お疲れ」
「こう…じゃない、社長。お疲れ様です」
「もう定時過ぎてんだから社長じゃなくていいよ」
皇輝は缶コーヒーを差し入れてくれた。
「ありがとう」
「みんな帰ったのか?」
「うん、今日はBプロ発足1日目だし、大体のスケジューリングとメンバーの紹介してもらったの。
ミーティングメインで本格的に動き出すのは明日からだから、今日は帰ってもらった」
「妃乃は?」
「私はちょっとやりたいことがあって……あっ」
皇輝は私のPC画面を覗き込む。
「へー、メンバーのプロフィールか」
「これから一緒に頑張っていくんだし、私なりにちゃんと向き合いたいなと思って……」
だけど、わざわざ社長に見てもらうようなものではないから、ちょっと恥ずかしいかも……。
「すげえいいじゃん」