婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。


自分が必要とされてないと感じるのは、とてもつらいし寂しいことだ。

私の方からもっとみんなを信じて頼らなければ。


「リーダー、トックティック広告のイメージが完成しました」

「ありがとう。わあ、すごく素敵じゃない!」

「ありがとうございます」


――ああ、やっぱり私が間違っていた。

チームを信じて取り組めば、きっと良いものが完成する。


プロジェクトメンバーは比較的若手で構成されているけど、26歳のリーダーは余りにも若いし私より年上のメンバーも多い。

まだまだ若輩者の私なんか…って思いがどうしてもあったけど、リーダーの私が堂々としていないと誰もついていきたいとは思わない。

もっともっと成長しないと。


「……あの、天王寺さん」


お昼すぎ、私より一個上の女子メンバーがおずおずと話しかけてきた。


「はい?」

「明日のクライアントへの一次提案で各メディアのユニークユーザー分析をすると思うんですけど」

「あ、はい」

「あれって誰が担当されるんでしたっけ…?」

「えーーっと……」


あれ、誰に振り分けたっけ……?


「報告資料まとめてたら、議事録に書いてあるのを見つけたんですけど、担当者の名前がなかったから念のために確認をと思いまして…」

「あーー!!忘れてた!!」


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