婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
そうだ、これは担当者は後で決めようと思って後回しにしてそのまま忘れてた……!!
「私がやります!」
「だ、大丈夫ですか?私やりましょうか?」
「いえ、これは私のミスなので!!
気づいてくれてありがとうございます!」
やってしまった……。
TODOリストに漏れてたから完全に忘れてた。
今日は早く帰れそうだったのに、また残業コースだ……!!
うう、私のバカ。
なんて致命的なミス。
彼女が言ってくれなかったらまるっと抜けてたかもしれないと思うと、恐ろしい。
明日はクライアントへの大事な一次提案。
20周年PRを任せてもらえるかの判断材料ともなる、大事な提案なのに。
こんなところで頓挫するわけにはいかない……!!
それからものすごい集中してカタカタとキーボードを動かしているけど、20時を回っても終わる気配がない。
「……やばい、これはなかなかに時間かかる」
あと2時間以内に終わるかな?
終電で帰るなんてことにはなりたくないんだけど……。
「いや、これは私が悪い。やるっきゃない」
「また一人で詰め込みやがって」
「つめたっ!」
頬に冷え切った缶コーヒーがピッタリと当たる。
「……っ!皇輝……」
「よっぽど残業が好きみたいだな」