婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
自信ありげに余裕そうに笑う皇輝に、不覚にもドキッとした。
なんだろう、皇輝に後押しされると自信が持てる。
普段から余裕たっぷり、自信たっぷりの王様に太鼓判押されてるから?
「…あ、ありがとうございます……」
あんな風に告白されるとは思ってなかったけど、あの日のデートが今回の企画のヒントになったことは確かだし。
「あ、失礼」
皇輝は電話に出ると、ネイティブの英語で話し出す。
皇輝が英語を話しているのは初めて聞いたけど、流石長くロンドンにいただけある。
「――…、――」
何を話しているのか全くわからないけど、発音が美しいことだけはわかる。
しばらくして通話を終え、皇輝は若干興奮気味に言った。
「シエロジャパンの大型案件GETした」
「本当ですか!?シエロって、あの大手外資系の…!」
「つっても、ほんの一部をうちにお願いしてくれるっていうお試しみたいなものだけどな」
「でもすごいじゃないですか!」
ベリーズランドの案件も相当大型案件なのに、その裏でもう一つ大型案件をもぎ取っていたなんて。
「惚れた?」
「えっ!」
私を目をじ、と覗き込むように見つめる皇輝。
その余裕そうな笑みが妙に色気を放っていた。
「調子に乗らないでください!切り替えますよ!!」
これから大事な提案なのに、調子狂わせること言わないで……!