婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
浮気男は追い払ったが、妃乃は熱を出していた。
しかもこれ、かなり高いんじゃないか?
「妃乃!?大丈夫か!?」
顔は赤いし、目は潤んでいる。
多分これは泣いたせいではない。
急いで妃乃を抱き上げて、車に乗せた。
車で来て本当によかった。
助手席に座らせ、シートベルトを締める。
妃乃は肩で息をしていて、かなり苦しそうだ。
途中コンビニに寄り、スポーツドリンクとかゼリーとかアイスを買う。
流石に今の時間に薬局は空いてないから、薬は明日買おう。
車を走らせ、妃乃を抱き上げて車から降りる。
部屋に辿り着いて、やっと妃乃をベッドに寝かせた。
熱を測ったら、38度を超えていた。
「おいおい…誰にも移してないだろうな…」
ひとまず着替えさせないと、服にシワができるしこのままだと寝苦しいだろう。
「……悪く思うなよ」
これは不可抗力、致し方ないと言い訳し、妃乃のタンスからうぱおとかいうキャラクターのダサい部屋着を取り出す。
プツン、プツンとシャツのボタンを外していくと、意外にも大きなマシュマロのように柔らかそうなものが二つ、ぷるんと顔を出す。
「…………。」
……妃乃って着痩せするのか、意外とスタイル良いんだよな。