【コミカライズ配信】婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
動悸が早いのを気取られないように、あくまで何もないことを装って優しく妃乃の頭を撫でる。
「わかった。ここにいるよ」
「ありがとう……」
いや、マジでかわいい。
熱のせいなのか、いつもより甘えてくれてるのが嬉しすぎる。
「なんか飲むか?水分取った方がいいぞ」
「のむ……」
買ってきたスポドリをコップに注ぎ、少し上半身を起こしてやってコップを渡した。
両手でコップを受け取り、口に運ぶ。
半分くらい飲んだところで、コップを机に置く。
「もういいのか?」
「うん…ちょっと喉痛くて…」
喉も腫れてきたか。
それはしんどいだろうな。
「明日風邪薬買ってきてやるから」
「ありがと……これ、皇輝が着せてくれたの?」
「っ、悪く思うなよ…寝苦しいだろうと思って……。
別に弟なら平気だろ?」
昔は平気でパンツ見えそうな格好で彷徨いてたし、俺の洗濯物の中に妃乃の洗濯物が混じっていてもノーリアクションだったし。
あの時は本当に意識されなさすぎて腹が立った。
でも――、
「……はずかしい」
「えっ……」
そう言って妃乃は頭まですっぽりと布団を被る。
……え、恥ずかしいって言った?
あの妃乃が――?