婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「展開早くない!?」
「俺にとっては遅すぎるくらいだが?
あと俺のこと舐めすぎててちょっとムカつく」
「舐めてるって何が?」
やっぱり腹筋割れてるし、胸板が意外と厚い…なんて思考が変な方向にいってしまう。
「妃乃のこと諦めたくてロンドンまで行って、それでも諦められなかった俺のしぶとさ、舐めんじゃねぇよ」
「え……っ!!」
ロンドンに行ったのそんな理由だったの!?
てっきり後継者修行だと思ってた……!!
「結婚するって聞いて、ようやく諦められると思った。なのに婚約破棄されて帰ってくるし」
「それは……っ!!」
「だったらもう、諦める必要ねぇじゃん。
俺が幸せにすればいいんだから」
「皇輝……」
皇輝の言葉はいつも強引で王様だけど、ストレートに響いて凝り固まった私の心を溶かしてほぐしてくれる。
深く刻み込まれた傷が、皇輝の愛で塞がっていくようだ。
結婚なんてしばらく考えられない、考えたくないと思っていたのにな……。
この手を取るのが怖かったのに、今は皇輝と離れるのが嫌だって思ってる。
早くもっとくっついて、ひとつになりたい。
両親のこととか…あとで考えたらいいよね――?
「……皇輝、好きだよ」
「俺も……」
今はただ、この甘い熱に溺れさせて。
あなたの愛で埋め尽くさせて。
まるで磁石のように唇がピッタリと重なり合い、すぐに舌が挿入され夢中になって絡ませ合う。
全身を痺れさせるくらいの甘い熱情が私の心と体を支配して、全てを皇輝に捧げた。