婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
10.規格外の溺愛
「ねぇ……皇輝……」
「何だよ」
「く、くっつきすぎじゃない……?
こんなに広いんだから……」
日曜日の午前10時頃。
私たちは一緒にお風呂に入っている。
うちのお風呂はものすごく広くて、二人で入ってもありありと余るスペースがあり、更にはジェットバス付き。
TVも付けられているというセレブ仕様になっている。
そんな広々としたバスタブなのに、皇輝はさっきからずっと私にくっついたまま。
「離れなくてもいいだろ」
「そ、そうだけど……」
まだ私の体には、皇輝に付けられた熱くて甘い刻印が残っている。
初めて抱き合い、その夜もそしてさっきも……。
正直に言って、ここまで求められるとは思ってなかった……!!
今一緒にお風呂に入っているのも、腰がガクガクして起き上がれなくなった私を皇輝が抱っこして連れて来てくれたから。
まだ熱が冷めないまま、裸で密着してるのは落ち着かないというか……皇輝に付けられた痕が疼く。
「あっ……、ちょっと……」
再び首元に舌を這わせる皇輝。
愛されすぎてとろとろに溶かされた私の体は、少しの刺激でも敏感に反応してしまう。
「やっ……!」
皇輝の長い手が下へ下へと探り、長い指がそこを探し当てる。
「やだってば……っ!」
「嫌じゃなさそうだけど」
「……っっ」
もう流石に体がもたない。
本当に限界なのに。
だけど、極上に甘い欲望を知ってしまった。
かさぶたを剥がすように全身に唇を這わせられ、狂おしい程に愛されて、激しい刻印を何度も刻み込まれて。
そう、皇輝の言う通り嫌じゃない。
この甘い欲望に囚われて夢中になってしまっている。