婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。
「ん……っ」
キスも何度したかわからない。
キスしすぎて唇が腫れるなんて言うけど、本当にそんなことあるの?って思っていたけど――…
多分これがそうなんだろうなと思った。
どんどん糖度を増していくキスに、徐々になけなしの理性は剥がされてゆく。
「あ……ん……っ」
「はぁ…っ、妃乃……」
キスしながら、吐息混じりに名前を呼ばれるのが好き。
私を強く求めてくれているようで――。
最後の一欠片だけ残った理性のある頭で、ぼんやりと思った。
ずっと弟だと思っていた皇輝と、こんなことするようになるなんて思わなかった。
ましてや、何度も激しく求められるなんて……
でも、嫌じゃない。
次の瞬間理性は手離し、極上の欲望に支配されてただ欲しいままに堕ちた。